====World History=====================================================

             謎 の 世 界 史 人 物 伝

                                           ---No.2---
======================================================================


●◎○ ウェルキンゲトリクス(前72?〜前46) ○◎●


////概要データ////

 ガリア、現フランスの一部族、アルヴェルヌス族出身。
 カエサル率いるローマ軍が、ガリアの地に侵入してきたとき、20歳ぐらいで
バラバラであった部族間同士をを一つにまとめ、カエサルと対決する。最終決戦
地は、アレシア。包囲され、絶体絶命となったウェルキンゲトリクスが、最後に
取った行動は、果たして玉砕か、それとも・・・


////キーワード////

ローマ ラテン系イタリア人の一都市国家であったが、後に地中海を制覇する。

カエサル 前100?〜前44 第1回三頭政治を経て、ガリアに遠征。ポンペ
 イウスを破って、ローマを独裁するものの「ブルートゥスお前もか」の言葉を
 残して暗殺された。

ガリア戦記 ケルト系の住民を中心とするガリア地方を前58〜前51年にわたっ
 てカエサルが征服した戦争を、カエサル自身が著した報告書。

ポンペイウス 前106?〜前48 ローマの有力政治家であったが、カエサル
 と対立し、破れてエジプトに逃れたが暗殺された。

クレオパトラ 前69〜前30 プトレマイオス朝エジプトの最後の女王(在位
 前51〜前30)カエサルなどのローマの有力者を次々と虜にし、王位を守ろ
 うとするもののオクタヴィアヌスに破れ、毒蛇に自分をかませて自殺した。

オクタビィアヌス 前53〜後14 母がカエサルの姪で、カエサルの死後遺言
 でカエサルの養子になり、第2回三頭政治を経てのちクレオパトラのエジプト
 を滅ぼして、全地中海を平定。前27年ローマ初代皇帝になる。


////周囲の状況////

 ガリアの地は、ケルト系の小部族がたくさん存在し、それぞれに争いを繰り返
していた。
 一方、ローマは、拡大政策を続けていた。ガリア地方南方の征服は、前2世紀
頃から始まっていたし、ヒスパニア(スペイン)、カルタゴ(チュニジア)、マ
ケドニア、小アジア(トルコ)といった風に次々と征服していく。征服者である
将軍達は、戦争で獲得した富で、ローマに公共施設を造ったり、凱旋式を盛大に
行って、ローマ市民の人気を得て、政治家としてもローマを支配していく。そん
な中に、カエサルやポンペイウスも有力者として登場する。そして、前58年、
カエサルによって本格的にガリア征服が始まった。


////人物ロマン////

 ウェルキンゲトリクスの存在は、カエサルの著した「ガリア戦記」に登場する。
ガリアの地に侵入したカエサルは、部族間で争い、まとまった反抗の出来ない、
各部族をヘルウェティ族を皮切りに次々と征服していった。前52年頃までには
すでに全ガリアがローマによって平定されてしまったかのようであった。この間、
カエサルはブリテン島(現イギリス)にも矛先を向けている。

 前52年、カエサルがローマに帰っている隙をつき、各部族の族長がケナブム
(現オルレアン)に集まり、ガリアの反乱が再び始まった。
 こんな中、当時、20歳位の青年、ウェルキンゲトリクスが登場する。未だ、
各部族の利害からまとまることの出来ない諸部族を厳しく統合。反対する者は追
放し、反ローマという共通の旗印の元、ガリアを一つにまとめ上げた。ウェルキ
ンゲトリクスの父ケルティルスが果たせなかった、全ガリア統合の遺志を彼が引
き継ぎ、カエサルに立ち向かう。
 緊急事態を聞きつけたカエサルは、急いでガリアの地に戻る。ウェルキンゲト
リクスは、まともに強大なローマ軍と戦うことを避けた。ローマ軍が長途遠征で
あり、大軍で食料が現地調達であるのを利用して兵糧責めにしようと、ガリアの
都市や村を焼いた。
 しかし、この焦土作戦は失敗した。アワリクム(現ブルージュ)を焼き損なっ
てローマ軍に包囲・殲滅され、多数のガリア人が殺されてしまった。勢いに乗っ
たカエサルは、軍を二手に分け一方をルテティア(現パリ)に、カエサル自身は
ウェルキンゲトリクスの本拠地ゲルゴヴィアに向かう。ここでは勇猛を誇るガリ
ア軍が勝利を収め、かさにかかってローマ軍を追撃する。だが、カエサルはあわ
てない。追撃してくるガリア軍は、深追いしすぎたのか、次第に翻弄されていく。
そして、最後の激突地アレシアへと戦場は移る。

 8万にも及んだガリア軍だが、とうとう追いつめられた。地の利を生かした、
ゲリラ戦ならまだしも、ローマ軍にすっかりと包囲されてしまった籠城戦では、
勝ち目があるのだろうか。
 アレシアは丘状で、防備の柵の外側に堀をめぐらした砦であったが、ローマ軍
はアレシアを二重に囲み、じわじわと追いつめる。敗色はあきらかだ。逃亡する
兵もでてきた。
 ウェルキンゲトリクスは、会議を開き自分の処遇を皆に求めた。自分を殺して
ローマ軍に降伏するか、それとも捕虜として自分をカエサルに引き渡し降伏する
か。そこに、玉砕という考えはなかった。全ガリアのために戦った男の最後の生
きざまだった。

 ウェルキンゲトリクスは、カエサルの元に引き渡された。ここに、ガリア戦争
は終了する。ウェルキンゲトリクスはローマに送られ、6年間にわたって投獄さ
れた。その間、カエサルは政敵ポンペイウスを破り、エジプトのクレオパトラと
恋に落ち、小アジアのポントゥス王国を破ってローマの全権力を握った。
 そして凱旋式が華やかに行われた。絶頂期のカエサルと処刑されるウェルキン
ゲトリクス。賞賛を浴びるカエサルと侮蔑の視線のウェルキンゲトリクス。55・
6歳の勝者と25・6歳の敗者は対照的だ。この日、カエサルの命により敗者は
処刑された。


////その後////

 独裁者となったカエサルも凱旋式の2年後には、旧勢力によってあっけなく暗
殺されてしまうが、彼の養子オクタヴィアヌスによってローマ帝国へと発展して
いく。
 一方、ウェルキンゲトリクスは、フランスの最初の愛国者として現代にも生き
続けている。彼の像がかつてのアレシアの地に建てられている。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< Web >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

● このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
http://www.mag2.com/(マガジンID 0000042130)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
● メールマガジンの登録と削除。
http://www.m-n-j.com/medianetjapan/frog/whistory.htm

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
● グラフィカル知的エンタテイメントホームページ
                    ・・・を目指す
  『カエルの合唱』 古代エジプトを追加しました。
           クフ王とツタンカーメン王等、続々更新中。
http://www.m-n-j.com/medianetjapan/frog/

  サーバーのアップグレードの関係で、今月中掲示板は使用できません。
  ご迷惑おかけします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

次号予告 リヴィングストン
著者一言 カエサルについても、いずれ載せたい。
     感想お待ちしております。
                                               カエル