====World History=====================================================

              謎 の 世 界 史 人 物 伝  

                                           ---No.6---
======================================================================


●◎○ バートリ伯爵夫人 1560〜1614 ○◎●


////概要データ////

 エリザベート・バートリ、又はエルジェベト・バートリ。
 ハンガリーの名門の家に生まれた彼女は、何不自由なく暮らしていたが、15才
で結婚してから、様子が変わってきた。夫や姑とうまくいかずにストレスのたまる
日々を送ることとなってしまった。
 一方、17世紀以降、周囲の村では、娘達が行方不明になる事件が相次いでいた。
 1610年12月末、突如、彼女の居城は包囲されてしまう。その後、彼女は裁
判にかけられた。いったい、城の中で何が起こったのでしょうか。


////周囲の状況////

 東欧の強国、ハンガリー王国も戦争が絶えることはなく、特に小アジア方面から
のオスマン=トルコの脅威にさらされていた。しかし、伯爵夫人の村はさして重要
性の無い高地地方であったため、平和であった。


////人物ロマン////

 エリザベート・バートリは、1560年にハプスブルク家にもつながるハンガリー
屈指の名門の出で、小カルパチア山脈に囲まれた閑静な古城に生まれた。
 幼少期・少女時代と何不自由なく暮らし、次第に美貌もうたわれるようになった。
 15才の時、やはり名門の家のフェレンツ・ナーダシュティーと結婚。ツェイテ
城に移り住み、幸せに暮らすはずであった。ところが、夫は隣国トルコとの戦争で、
ほとんど彼女と暮らすことはなく、嫁いびりをする姑と暮らさねばならなかった。

 そんな中、退屈まぎれだったのだろうか、召使いのツルコから黒魔術の手ほどき
を受けてしまう。そうして、彼女は目覚めてしまった。血、それも若い女性の血に
異常なまでの執着心をしめすようになってしまったのである。
 彼女は、若さと美貌を保ち続けるためには、若い女性の血が必要だと信じた。ツ
ルコに命じて、近隣の若い娘を誘拐し拷問にかけ、血を搾り取って飲んだ。

 1600年に夫が死ぬと誰も彼女を止める者はいなくなり、残虐行為は加速する。
拷問には、鉄の処女が使われたり、焼きコテを押しつけたり、口を裂かれたり、全
裸のまま氷づけにされたりした。彼女はそんな娘達を冷笑しながら見つめ、娘達の
血の浴槽につかっていたという。

 10年にわたりツェイテ城周囲で行方不明になる娘が相次ぎ、いろいろな噂が立
つようになった。そんな噂に終止符を打つべくエリザベート・バートリの従兄にあ
たる軍警察総監ジョルジー・ツルゾは、1610年12月30日ツェイテ城を包囲
した。
 こうして事件は明るみに出た。
 軍警察が踏み込んだとき、まさに狂宴の最中であった。針穴だらけの死体やら息
もたえだえな娘、まだ拷問を受けていない娘までいた。ツェイテ城地下牢は、血ま
みれだったという。

 エリザベート・バートリの共犯者は、全て処刑されたが、伯爵夫人は死刑をまぬ
がれた。王室関係者であったためである。しかし、まぬがれたといっても、死ぬま
で窓の閉ざされた食事の差し入れ用の小窓があるだけの部屋に監禁された。
 そして、監禁されたまま1614年8月21日に世を去った。
 600人以上の娘の血を欲し、若さを保とうとした彼女も最後は、しわだらけで
やせ細っていたという。


////その後////

 この事件は、血を欲する者、すなわち、吸血鬼伝説の原型になったものの一つと
される。
 血の狂宴の舞台となったツェイテ城は、現在でも不気味な廃城として残っている。
 他に吸血鬼伝説の象徴的な人物は、ジル・ド・レ侯爵やブラド4世がいる。
 

////キーワード////

ハンガリー王国 10世紀末にマジャール・フン・アヴァールが合体してパンノニ
       アに王国を形成した。11世紀にキリスト教に改宗。13世紀以降
       はモンゴル、神聖ローマ帝国、オスマン=トルコなどの干渉を受け
       続けた。

オスマン=トルコ 1299〜1922 小アジアに起こった帝国。1453年に
        ビザンツ帝国を滅ぼして以降、北アフリカ、シリア、エジプトを
        支配、バルカン、東欧にも進出し大帝国を形成した。

鉄の処女 鉄の人形の全面が観音開きに開くと、中に無数の棘がついていて、その
    中に処刑者を押し込めて扉を閉め、串刺しにして血を抜き取る拷問具。

吸血鬼伝説 中世から語り継がれた、生ける死体が血を求めてさまようという伝説
     が、近代になって、ドラキュラとして大成されたもの。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< Web >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

● グラフィカル知的エンタテイメントマルチサイト
                    ・・・を目指す
  『カエルの合唱』 

http://www5.plala.or.jp/frog/

   ▼週刊「看護婦YUKOさんとカエルの二人言」

      育児・医療・子供等の話題をライトに話しています。
      あなたのホームページやメルマガを紹介します。他分野OK。
      購読しなくても紹介しますのでどしどし投稿して下さい。

http://www.m-n-j.com/medianetjapan/frog/children.htm

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
● このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
http://www.mag2.com/ (マガジンID 0000042130)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
● メールマガジンの登録と削除。
http://www.m-n-j.com/medianetjapan/frog/whistory.htm

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次号予告 ブラド4世

あとがき 今回は、とってもこわ〜い女性です。人は、狂気に走ると際限なく
    加速してしまうのでしょうか?
     最近の例でいうとヒトラーやスターリンになるのでしょう。
     こうした狂気は、アイヒマン実験を見る限り、誰にでもあるのかも
    しれませんね。こわい、こわい。
     次回は、めずらしく吸血鬼つながりでつながってます。お楽しみに。
     感想・意見・要望等お待ちしております。
                                カエル
掲示板アドレス
http://www.m-n-j.com/cgi-bin/bbs/pt.cgi?room=fohoo2