エッセイ


ろう者の生活
う者の世界は聴者にとっては想像しづらい世界でしょう。ここでは、映画、ドラマ、実際に僕が見聞きしたことから印象に残ったエピソードを紹介していきます。ろう者の世界を垣間見てみましょう。
野美穂、武田真治主演のドラマ「君の手がささやいている」の冒頭部分から菅野演じるろう者の美恵子が交差点で信号待ちをしていると、後ろからおばさんが道を尋ねます。全く振り向かない美恵子に対して、「何この子は」と怒るおばさん。 美恵子と武田演じる野辺との出会いのシーンでは、会社の廊下で、荷物を乗せた台車を押す野辺が、後ろから美恵子に「どいてくれないか」と声をかけますが、美恵子は気づきません。「何なんだ」と思う野辺。ろう者は盲人と違って、見た目は聴者と全く変わりません。そのためこのような誤解が生じることも度々あるでしょう。
う者はコミュニケーションの手段としては、手話など視覚やその他の感覚を生かす事が多いようです。映画「アイ・ラヴ・ユー」撮影ではカチンコ(て言うんでしたっけ?)にフラッシュを付けています。音が聞こえないため、撮影開始の合図をろう者の役者やスタッフに知らせるための工夫です。
川悦司、常盤貴子主演で大ヒットしたドラマ「愛していると言ってくれ」からは聴者のろう者に対しての素朴な疑問が表れています。常盤貴子演じる水野紘子がろう者の榊晃次(豊川悦司)に向かって尋ねます。紘子「前から知りたいと思っていたんだけどこの目覚し時計でどうやって起きるの?」晃司は笑って、目覚し時計を枕の中に入れてみせる。そう、時計が振動することによって起きるのです。
イ・ラヴ・ユー」ではろう者の朝子と娘の愛がうちで一緒にいる所で、玄関のブザーが鳴ります。朝子の頭上の天井で、明かりがチカチカしています。ブザーが鳴ると光るようになっているのです。それはパトカーに付いているような大きなやつで部屋のどこにいてもわかるようになっています。
年、山梨県の聴覚障害者大会に参加してきました。町民会館でやったのですが、見ていると、誰かが話し終わった後や、余興が終わると、観衆は両手を頭上にかざしてヒラヒラ振っているです。はじめて見た時は「何なんだ??これはみんな万歳でもしているのかなあ」と思いました。そうです。普段聴者がやる拍手の音は聞こえないため、両手をかかげてみなに見えるようにするのがろう者の拍手なのです。そうかあ、拍手一つをとっても聴者とろう者で違うのか、面白いなと感じました。
1986年のアメリカ映画「愛は静けさの中に」はろう者のマーリー・マトリンがアカデミー主演女優賞を獲得した名作です。その中にこういうシーンが出てきます。聴者のウィリアム・ハートとマトリンは一緒に暮らしているのですが、そこへマトリンへろう者の友達からパーティの誘いの電話がかかってきます。マトリンのろう者の友達→その友達の聴者→電話→ウィリアム・ハート→マトリンの順に情報が伝わっていくシーンです。ウィリアム・ハートは肩で受話器を押さえて、聞きながら手話でマトリンに情報を伝えていこうとしています。
ラマ「愛していると言ってくれ」から、第一話の最終シーンでろう者の晃次が紘子に自分の連絡先を書いたメモを渡すシーンがあります。よく見るとそのメモに書いてある番号はTELではなく、FAXと書いてあるのです。電話は使わないのですね。
FAXで思い出しました。この間「アイ・ラヴ・ユー」の試写会でろう者の方達に「ろう者にやさしい病院づくりのためのアンケート」というのをやって頂きました。結果を見て驚いたのは、病院にFAXを置いて欲しいという希望が多かったことです。病院にFAXが無いのかあと思ってしまいました。あってもFAXの番号を公表していないのかもしれませんね。
近はケータイの普及で、ろう者もコミニュケーションが容易になってきたようです。文字メールがあるので、電話が無くても、すぐに連絡をとることが可能になりました。ちなみにろう者の間ではJ―PHONEがよく使われているようです。


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