検索エンジン対策・サーチエンジン対策(SEO)、無料サーバー、ホームページ運営相談・セミナーのメディアネットジャパン
Click here to visit our sponsor


-グンニグル-


 突然ですが、皆さんは"Bump Of Chicken"というバンドを知っていますか?
 私もついこの間知ったのですが、今彼らの歌に夢中になっています。
 彼らの歌の多くは、巷に氾濫する男女間の恋愛などというちっぽけなものをテーマにしてはいません(「天体観測」や「リリィ」などの例外もありますが)。
 そんな中で、私の最も好きな曲である"グングニル"という曲を少し紹介します。
 グングニルとは、オーディンという北欧神話の主神が持つ魔法の力を秘めた槍で、狙ったものを必ず貫き通すといいます。便利な事にこのグングニル、使用者の手を離れても自動的に相手に向かって飛んで行くというズクレモノです。現代でいう誘導ミサイルみたいなものでしょうか。

 歌詞の内容は宝探しに出ようとする男の生き様を描いたものになっています。
 宝の位置を示す地図はあからさまに胡散臭く、誰もその地図を信じようとしません。
 当然、宝探しに出ようとする"主人公"は誰からも理解されません。
 嘲笑され、罵倒され、軽蔑され、挙句の果てには狂人扱いされていしまいます。
 それでも"彼"は自ら船を組み立て、大海原に向けて旅立ちます。  あるかどうかも分からない宝物を求めて。
 いかなる困難も貫き通す、あたかもグングニルの如く強い信念だけを頼りに。

 誰に理解されなくても、盲目なまでに強く、固く信じた信念のもとに進み続ける"彼"を、皆さんはどう思いますか?
 ちなみに、実際の歌では結末については一切触れられていません。
 ただ、歌い手は

『世界中の神様だって君を笑う権利なんかない。
 例え笑ったとしても、俺だけは決して笑いはしない!』

 という言葉を歌詞に混ぜて"彼"に送っています。
 たとえ他人から見てどれだけ愚かしく、滑稽で、間違っているように見えても、信じた道に向けて一生懸命努力する人を笑うような卑怯者にははなりたくないから。

 ひょっとしたら、この歌は"彼"の生き方を歌ったものではなく、一生懸命に何かをやり遂げようとする人を応援する歌なのかも知れません。

 今、何かを求める時、多くの場合はそこに"道"が存在します。
 セオリーがあり、常識があり、場合によっては教科書や学校さえも存在します。
 芸術、文学、スポーツ、どの道であれ、本当の意味で手探りという事は今は殆どないでしょう。それは数多くの先人が理想を求め、夢を追い求め、そして時には志半ばで力つき、そしてその後に"道"が出来たのです。

 しかし、もし求める先に道がなかったら?
 自分が最初に第一歩を踏み出すしかないとしら?
 周囲の誰もが"バカバカしい、やめておけ"と制止したら?
 その先に、求めるものなどなかったとしたら?

 それでも"彼"のように、私も大海原に旅立ちたいと思います。
 胸にただ一本の槍、グングニルだけを抱えて。


分かる人にだけの補足

 この曲は海洋ロマンを題材にしている為、ONEPIECEというアニメ作品のテーマソングに合うという意見がファンの中で出た事があります(実際にはSailing Dayが歌われたのですが)。
 しかし、私はこの曲が大好きですが、ONEPIECEに合う曲とは思えません。
 この曲はあくまで孤独に旅立つ人物を描いているのであり、ONEPIECEのように仲間は存在しません。また、ONEPIECEにおいて"ひとつながりの財宝"の存在や、海賊王というものは誰もがその存在を知っているものですし、多くのものがそれを目指して旅立っています。
 ONEPIECEにおいて「海賊王になる」あるいは「ONEPIECEを手に入れる」という趣旨の発言をしても、誰も根本的な否定はしません。否定されるとしたら「お前では無理だ」という、極めて個人的な否定になります。誰も「海賊王なんてこの世にはいない」とか「グランドラインは人間では超えられない」とは言いません。たった一人とは言え、踏破した人がいるのですから。
 つまり、ONEPIECEにはゴールドロジャーという心強い"前例"が存在し、果てしなく遠い道のりであってもそれを成し遂げた人がいるのです。これはグングニルのような状況とは大きく異なります。既に誰かが通った道を通るのは、その道がどれだけ険しくても精神的にはそれほど過酷なものではありません。
 グングニルの主役の"彼"は、誰もが成し得ていない、ONEPIECEで例えるならゴールドロジャーがグランドラインを制覇して海賊王となるより以前の話なのです。
 ゴールドロジャーのテーマソングなら(にしては結末が書かれてないのがちょっと気になるところですが)ともかく、かつての英雄を尊敬し、その英雄の辿った道を辿るONEPIECEの主人公に、この曲は似つかわしくない。
 私はそう考えます。
 あ、誤解の無いように言っておきますが、私はONEPIECEは大好きです。


Bump Of Chickenへ