なんと、このページがきっかけでBumpを聞くようになった人が現れましたよ!
いやー嬉しいものです。
…で今回の曲なんですが…ああ、ついにこの曲が来てしまった…。
というわけでBumpの名曲紹介シリーズ第三弾です。
この曲は私に限らず、Bumpが好きな人なら大抵ベスト5には入れるという曲です。当然私の中でも高いランクに位置しています。
しかし、なんというか、とにかく切ない内容なのです。
ともかく、内容をざっと紹介しましょう。
孤独な一匹の黒猫。
不吉の象徴ともされる黒猫は、誰からも嫌われ、時には石を投げられ、追い立てられた。
何の罪を犯していないのに、ただ、体が黒いから、不吉だからという人間の身勝手な思い込みと決めつけで。
そんな人間の弱さと浅はかさを知ってか知らずか、黒猫はその現実を冷めた態度で受け止めていた。
「誰かを思いやるなんて煩わしくて」
黒猫はある日一人の貧しい絵描きの青年と出会う。
「こんばんわ!素敵なおチビさん。…僕らはよく似てるね」
いきなりの暖かい言葉、抱き上げられた腕のぬくもり。
生まれて初めて向けられた優しさが信じられず、黒猫は必死にもがいて逃げ出そうとする。でも、どこまで逃げても変わり者の絵描きは諦めなかった。
それから二年。
絵描きと暮らすようになった黒猫は初めての友達と貧しいながらも幸せな日々を送る。
絵描きは黒猫ばかり描き、いつしかスケッチブックはずくめになった。不吉な黒猫の絵などいくら描いても売れないのに、それでも彼は黒猫を描き続けた。
彼にとって黒い友達は何よりかけがえのない、大事な存在だったから、それを描く事が素晴らしいと信じていた。
幾千万の黄金の輝きより、親友の黒い毛並みのほうが遥かに価値があったから。
絵描きは、そんな大事な友達に名前を贈る。
「黒き幸、Holy night」
貧しくても、確かにそこに幸せはあった。
ある日、貧しい生活に耐え切れず、とうとう青年は倒れてしまう。
なす術もなく見守る黒猫。自分なんか描いたせいで、親友はもう助からないところにまで追い詰められてしまった。せめて自分が黒い色でさえなければ…。
しかし、親友は最後の力を振り絞り、一枚の手紙を黒猫に渡す。
「夢を見て飛び出した僕の恋人に、これを届けて欲しい」
彼は恨み言を口にするどころか、一点も曇りの無い瞳でそう頼んだ。後悔など全くない瞳で。
そして、青年は静かに息を引き取る…。
黒猫は走る。雪に埋もれた険しい山道を。
愛もぬくもりも知らず、忌み嫌われ続け、名前すらなかった自分を
「Holy night〜聖なる夜」
と呼んでくれた、たった一人の親友の為に。
その口に手紙をくわえ、ただ走った。
人々はそれを見て罵倒し、石を投げつけた。
ある者はぶつけ所のない怒りを、
またある者はただ面白半分に、
またある者はそれが正しいと信じて。
黒猫の体は既にボロボロになり、動く事すら出来ない程に傷ついていた。
それでも、
たった一人、自分を愛してくれた友の為、
自分が飢える事になっても、ただひたすら自分に価値があると認め続けてくれた親友の為、
千切れそうな、いや本当に千切れてしまった手足を引きずり、なお走った。
手紙を、
この俺が、
親友であるこの俺が確かに受け取ったのだ!!
街外れに住む恋人の家の前で、一匹の黒猫が力尽きていた。
恋人は手紙を読み、黒猫を手厚く葬ってやった。
気高く、誇り高く、いかなる困難にも屈する事なく、
騎士のごとき高潔な魂の持ち主、
聖なる騎士〜Holy 「K」night
は今、安らかに眠る。
願わくば、今度こそ二人の友が幸せに過ごせますように…
以上が「k」のおおまかな内容です。
私は某所のFLASHで見たのが最初ですが、その時は思わず涙が出てしまいました。
もちろん、そのFLASHが某巨大掲示板の有名なアスキーアートのキャラクター達を起用し、その配役が実に上手かったせいもあります。
しかし、それを抜きにしてもこの曲が辛く悲しい曲である事は分かって頂けると思います。
現在もこの曲について、Bumpファン、アンチBumpファンの間で色々と議論が活発に行われています。
曰く
「何故絵描きはちゃんと生活をしなかったのか?それは飼い主として無責任ではないか」
「彼らはペットと飼い主なんかじゃない!お互いに親友という関係だ!」
「黒猫に石を投げた奴を殺してやりたい!」
「いや、彼らだって黒猫の呪いを信じていたのだから、無理のない事だろう」
「何故黒猫はあそこまでして手紙を届けたのだろうか?」
「そもそも黒猫に言葉が分かるわけない」
などなど。
恐らくこの歌の世界は中世ヨーロッパ。それも魔女裁判の時期というのが現在の有力な説のようです。
昔、魔女は黒猫を使役し、悪魔と契約して悪事を行うと信じられていました。
早い話が疫病や戦乱、その他の理不尽な状況に"魔女"という悪役を作り上げ、それに責任を押し付けたと言えます。事実、そうでもしなければやっていられなかった程に当時の生活環境や政治の乱れは劣悪だったようです。
では、石を投げた人々は考えの足りない愚か者、あるいは人の心を持たない冷血漢なのでしょうか?
そうではないはずです。
少なくとも私は黒猫に石を投げた人々を責める事は出来ません。
とつぜんの疫病、肉親の死、乱れる治安、上がる一方の税金…。こんな状況だったら、私だって黒猫に八つ当たりをしなかったなんて断言できません。まして、黒猫が元凶で、それを殺す事で災厄を免れるだなんて信じていたら尚更です。
と、こんな風に、色々と考えさせられてしまう歌なのです。
しかし、それでも紹介したかったのは、黒猫が見せたひたむきな心と、世間の偏見や常識に囚われない絵描きの優しい心を皆さんに聞いて欲しかったからです。
とても悲しい曲ですが、是非一度聴いてみて下さい。
ちなみに私も多くの友人にこの曲を薦めたところ、例外なくこれを聞いて感動したそうです。
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