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3億円事件 第4話


俺の体がカーテンからもれる日の光に照らされていた。
ふと、時計を見た。午前6時。
まだ目覚ましのアラームはなっていない。

あれから一週間、途方もない葛藤と戦っていた。

その葛藤を和らげるために近所に散歩に出ては、公園に向かい、
そしてベンチに座り、また夕暮れまで葛藤をつづける。
そして家へ帰ってはただひたすらテレビの前に座る。
時々流れるニュースからは、今日一日の事件が流れる。
画面には事件の容疑者たちが写っては消えていく。
(失敗すれば俺はこいつらと同じ運命だ)
テレビの上には両親からの手紙に添えた仕送りがある。

こんな生活を1週間続けていた。
今日は答えを出す日だった。
しかし、今の今もこの葛藤と戦っていた。

まだ眠い。よほどの疲れをこの一週間はしいたのだった。
俺はふと眠りに落ちた。

ジリリリり。

けたたましいアラーム・・・いや、電話のようだ。
疲れを押して、体を起こした。
「はいもしもし」
「洋平?」
母親だった。
「なにかあさん。お金ならとどいたよ。」
「ちがうの。お父さんが倒れたの。」
「え!」
覚悟はしていたが、あまりにも唐突だったので驚いた。
「心労で倒れたの。命に別状はないけど、お医者様はお父さんはひどくストレスがたまってるから休養しなさいって。」
「そう。よかったな。命に別状なくて。」
金のことでのストレスだった。
「そうなのよ。もう。お父さんは。昔から冗談が好きだったから」
明るく振舞っている母親だったが、その声はか細く震えていた。
よほどの疲れが感じられた。
この電話で俺は結論を出した。

犯罪者と社会人

俺は犯罪者を選んだ。


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