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昔のこと
元服をすませたばかりの少年がいた
平城京の春日の里
仕事のついでに狩に出かけた

狩の途中、少年は一軒のさびれた家を見かけた。
好奇心に駆られ、ふとその中をのぞくと、そんなところには似つかわしくないような、
美しい姉妹がいた。
「こんなところに、思いがけず、美しい女がいることだ。」
少年の心はときめいた。

少年は、自分の着ている狩衣の裾を切って歌を書き付けて、送った。
しのぶずりの狩衣だった。

「春日野の若紫のすり衣 しのぶのみだれ限り知られず」

風情につられた、恋の遊びの行方はどうなったことだろうか。

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