身分違いの恋が、禁忌とされていた昔のこと。 一人の男がいた。 男は思いを寄せる女がいた。 今宵は「ひじきも」という着物を贈ろうとした。
「しかし、それにつけても・・・。」
男はやるせない思いを歌に乗せて添えた。
「君よ、君よ もし、わが身をしとうてくれるのであらば 蔓草のはう我が宿に、一緒に安らいでおくれ。 たとえ君が、海のものである『ひじき』という着物を 着ていたとしても・・・。 山と海が、相容れないものであったとしても・・・。」
女は、後の二条の后であった。
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