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Over Days |
奇妙な空気がその部屋にひたひたと満ちてきた。
疲労、諦め、悪い予想の現実化、わずかな怒り、そしてあるいは憎悪。
目には決して触れない、ものが。
全面ガラス張りなのと天井が高いため圧迫感のほとんど感じられないブラッディアーマーのブリーフィングルームがひどく息苦しかった。
「で、何で今になってあの作戦の真相を自分たちに話したんです?隊長」
ようやく、ひどくのろのろとした口調でジェフがたずねた。
「潮時だと思った。それに俺たちは当事者だからな」
当事者、と言う言葉でその場にいた4人のうち、3人の視線が一人に集中する。当事者、のうちでも第三者から見れば被害者に当たる立場に立つ事になったレイ。被害者であると同時に、彼はライアの人間にとっては裏切り者となった。
無言のまま意見を求められたレイはいつものように感情を読み取らせない、無表情でそして平坦な声で言う。
「知っていました。あの『作戦』が救援という名目の侵略だったと言うことは」
「だったら何で…」
「あの場合はああするのが最良だったと信じている。あの時も、そして今でも」
目を見開いて尋ねるジェフの質問に応えると、グレンに話が終わった事を確認し、部屋を出て行った。
直後にジェフも「頭を冷やしたい」と言って出て行ってしまった。
最後にサラとグレンだけが部屋に残った。つぶやくようにサラが言う。
「隊長、わたしたちが気に病んでも仕方のないことです…少しやり切れませんけどね」
「……」
「事実はどう言っても変わりません…でも、そうなると正義はどうなるんでしょう?
これであの戦争で死んで行った人々は安らかに眠れるのでしょうか?」
グレンはその問いには答えない。サラ自身も答えを期待してはいなかった。
A.D 2283年 戦争終結
同時に驚異的な作戦実行力と柔軟性を有し、構成要員の特殊性で注目を集めたブラッディアーマー隊は事実上消滅した。
Over Days/
end