検索エンジン対策・サーチエンジン対策(SEO)、無料サーバー、ホームページ運営相談・セミナーのメディアネットジャパン
Click here to visit our sponsor

Sorry, Written in Japanese/Japanese fonts required to view this fic.
If you want to view this fic,read the web site.→http://docs.yahoo.com/docs/info/bridge.html

reusing fanarts in other websites w/o permission is strictly PROHIBITED.




English / Japanese
Title/題名
  眠れぬ夜のために side S
Author/作者
  弐号
Series/基となっているシリーズ
  STAR TREK : DeepSpace9

Rating/読者対象制限

  NC-17

Codes/カップリング等

  
Disclaimer/免責事項
  STAR TREK : DeepSpace9はパラマウント社のものです。著作権侵害の意図はありません。あくまで個人的な楽しみによるものです。
  これらの作品によって私が直接利益を得る事はありません。ただし,この小説のオリジナル内容に関しては著作権は放棄しません。無断複製・無断転載はしないでください。

Note/その他

  テレビシリーズの、その後の世界を想定。イロイロと嘘くさいのはエセなファンだからです。
 


 バスルームに防水のシートを敷き詰め、シャワーから冷水を流し続けた。
 『対象』の種類にもよるが、地球系にしろ異星のヒューマノイドにしろ処理する基本と手順は大体同じだ。

 深い、刺激を与えても目覚めない昏睡状態(ただし、死なせてはいけない)にし、ゆっくりと血が巡る体調にする。

 その後、対象の血を…今回のような、『対象』を移動させる時間が無い場合は『対象』を確保したその場か手近な場所、バスルームやキッチンで…抜く。

 血が抜けきった『対象』を本人であると判る特徴的な部分から斬り出す。
 頭。
 特殊なアクセサリーが着けられていたり、タトゥーが施された腕、肩、足。
 各種インプラント…特に情報収集・記録・運搬用のモノを…抜き取り、中身を吸い上げてから抜き取った痕跡を遺さないように元に戻す。

 今回の『対象』はテロ組織の中でも中堅の幹部だった。
 連邦内では大規模な戦争や内乱は無くなった、という事になっているがそれはあくまで表向きの事だ。
 内部にはドミニオン戦争で弱体化したマキの残党。マキ以外にも各種のゲリラ、テロ、過激な宗教・カルト組織がここ数年は乱立状態に有る。

むしろ、連邦、カーデシア、クリンゴン、ロミュランいずれの国家勢力も、ドミニオン戦争で疲弊している。そこにつけ込んで小規模で小回りが効き、武力を有する組織が勢力を伸ばしている。


 連邦の、脅威となりうる組織が。

  
 弱体化した連邦艦隊や連邦に所属する各星系の治安組織が動くには小規模すぎて逃げられやすい組織だからこそ。
 対処するには我々のような、「手を汚すことを厭わない」者たち、セクション31が必要とされてくる。

 疲弊したとはいえ、連邦の理念を信じ、後に続く者たちのための努力を惜しまない者たち。
 
 彼等の眼に付かない影の部分で、彼等が出来ないし決してさせる事の出来ないが彼等を護るために必要不可欠な「おぞましい」活動。
 セクション31の、活動が必要とされてくる。
 
 今回のように。



 黙々と手慣れた様子で『対象』を処置している男たちと、『対象』の様子を確認する。
 既に、テロ組織の中堅幹部として裏で知られていた『対象』の特徴を遺したパーツはパッケージが済まされている。

 あとは敵対している組織の印を付けて『対象』の属していたテロ組織の幹部たちにパッケージを送りつける。
 残った『対象』だった肉塊は敵対している組織の手にある施設に捨て置く。
 うまくいけばテロ組織同士の「共食い」で双方とも勢力が弱まるか、悪くともしばらくは活動が静かになる。
 連邦に対する脅威の度合いが、下がる。

 様々なものを、犠牲にしながら。
 
 パッケージの送付先と『対象』だったものの置き場所が打ち合わせ通りである事を作業に当たっていた者たちに確認して私はバスルームを出て寝室に向かった。

 どこといって、特徴らしい特徴も無いホテル。
 どこの星にでもあるヒューマノイド向けのサイズにしつらえられた、ありきたりのホテルのありきたりのベッドルーム。

 ただ、ベッドの上に居るものの様子だけが。
 ありきたりでは無いといえば、ありきたりではない。


 独りの青年が四肢をそれぞれ広げられ、ヘッドボードに縛り付けられている。腕だけではなく脚も同様。
 周囲に散乱している引き裂かれた服。
 拘束された部分の皮膚が擦り切れ、血が滲んでいる。
 そして血が滲んでいるのは拘束された部分だけでは無かった。
 顔の、殴打による傷。切れた口内と唇からの血。鞭のようなモノで打たれた細く腫れ上がった条状のミミズ腫れ。

 傷の、所々を覆うように飛散しているジェルと体液。

 ベッドルームに不似合いなくらいに明るく無機質な照明の下で、焦点の合わない眼でぴくりとも動かずに空を見つめている彼、ドクター・ベシアが死んでいないことを呼吸の度に上下する胸をみて確かめた。

 浅く、不規則な呼吸。
 抵抗したためか、それとも『愉しむ』ためか…薬を打たれたのは明らかだ。
 体調をモニターするために彼の躯に埋め込まれたセンサー類は『許容範囲』の数値を示していたが。

 意識が、飛んでいる。
 
 だが、「飛んで」いる方が彼にとっては幸いなのかもしれない。
 のっぺりと、無機質に痛めつけられた躯を照らしていた照明を落とす。
 
 長時間、縛り付けられていたため血が通わず、冷え切った手足を拘束具から解く。
 挿入されスイッチの入ったままだったセックス・トイを抜き取る。
 医療用のトリコーダで重篤な傷や損傷の無い事を調べ、確認し傷ついた部分を再生させていく。
 

「…触るな…僕は…汚れている」
 弱々しい声を無視する。再生が終わった事を確かめ、躯を拭き清め用意しておいた予備の服を着せていく。

「歩けるかね?ドクター」
 小さく頷いた彼を支え起こす。薬が残っているのか、立っても足下がぐらついている。何も言わずに彼の腕を取り、ふらついている躯を支える。

「…彼、は…」
 ささやくような問い。
「『対象』は既に処理済みだ。
 今回の仕事は…『対象』を確保できる状態にするという君の役目は完全に終了だ」
「そ、か…」

 小さく安堵したような声。僅かに震えのある声が気がかりになり、暗めにしたベッドルームの明かりで彼の顔を観察する。
 傷は治療したとはいえ、隠しきれない疲労。
 そして涙の痕。

「ドクター」
「…?」
「…協力を感謝する。
 そして…済まない」

 連邦の、未だに自由と平和を惰性で享受し続けて、それが続くと信じている者たち。
 悪意は無いが無関心な彼等は、知っているのだろうか。

 自分たちの足下。
 決して陽の光が当たらない影の世界で、『自由と平和』を、連邦の理念と理想を存続させるためにおぞましい犠牲も厭わず動く者たち…セクション31の者たちや、ドクターのような協力者たちが居るという事を。

 ドクターのような協力者が居るために、自分たちが安らかに眠れるという事を。

















■ 正面玄関