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時は再び蘇る2
      

それから何千年たっただろうか・・

−200×年 現代−

今は古代エジプトの首都として知られているテーベ。

古代の遺跡が建ち並ぶ中で、2〜7人の発掘団が、アヌビス神の足元を調べようとしていた。

そして、彼らは長い時間をかけて、アヌビス神の足元にある棺を偶然見つけたのだ。

ーそうこの棺が、怒りに燃えながら長い眠りについた若き怪僧であるセシストの棺なのである・・。

セシストの意識は、とうとう自分が目覚める時が来たと喜び、ほくそえんだ。

彼らは、棺を発見した感動と驚きの渦が沸き起こった。

「この棺を開けてみようか。」

発掘団の中の一人がそう言うと、

「待て、そのまえにこの棺の名前と呪いの言葉を調べてみよう。」

と、もう一人が言った。そして、彼らは棺に刻まれている古代文字ヒエログリフを指先でたどっていった。

『この者の名記すべからず。よって、この者の眠りをさまたげるべからず。』

「・・この棺に入っている人は、何か重大な罪を犯したんではないでしょうか?」

「俺も聞いたことがある。アヌビス神の足元にあるなんて、よほど重犯・・?」

「しかし、初めてだ。名前を入れているのが多いのだが、この棺は名など書くことを避けている。」

発掘団は、口々にそう言い、ざわめいた。

いよいよ、棺を開けてみると、そこには生々しいミイラが眠っていた。

しかも、調べてみると、このミイラは、生きながら虫に食われて死んだということが分かり、大騒ぎになった。

「もしかしや・・、あの怪力を持っていた若き僧、セシストではないか?」

だが、学者達はそういう話を笑い飛ばしたが、やはり気になるのだろうか、詳しく調べるべく博物館の地下室へ運び、保存した。

暗い地下の中で、セシストは、復活する時を待っていた。

後は、誰かが、ミイラとともに収められている筈の[死者の書]を誰かが読んでくれることだった。

もし、誰かがこの[死者の書]を読めば、セシストは復活するのだ。

案の定、上の階で学者が'死者の書'を声に出して、解読し始めた・・。

ガタガタ・・ガタガタ・・

ミイラが収められている棺が動き始めたのだ。

そして、ミイラに残っている意識の上に、魂が1つになろうとしている。

学者が解読し終わった時、彼は目覚め、動き始めた。

「とうとう・・この時を待っておったぞ!アクアナトンめ、今に思い知らせてやるから待っておれよ!」

しかし、体(肉)は腐敗しており、誰かの生気を吸わないと、生きていた頃の姿に戻れない。

蘇ったセシストは、いったん風となり、どこかへと去っていった。

とともに、博物館の中を強い風が吹き荒れていった。

その混乱に生じて、風となったセシストは、[死者の書]を持ち去った。

数十分後、学者はミイラが消えたことで大騒ぎしていた。

そして、学者達は棺とともに見つかった箱に刻まれた呪いの言葉を解読したのだった。

『この者を起こせば、エジプトは滅びるであろう。』

彼らは、この呪いの言葉に、驚き、そして恐怖に陥った。

 ワハハハ・・・・

誰かの高らかな笑い声が聞こえてくる。きっと、どこかでセシストが笑っているのだろう・・。

一方、テーベのあるところで、怪僧セシストが蘇った時と、同時にイシスと呼ばれるミイラが復活した。

イシスは、前髪を眉のあたりまで切り揃え、長い髪を腰のあたりまで揃えて伸ばしている少女だ。

彼女は、エジプトの神と同じく守り神のような存在となっている。

外に出て、満月の光を浴びる彼女は、自分の体を巻いてある長い包帯をほどきながら、

「セシストが目覚めたか・・。おお、エジプトが滅んでしまう!止めなければ・・。」

と、呟き、人々を眠らせてから、エジプト全体を、古代の時間に戻した。

ーセシストは、王家の谷の近くにある墓場にいた。

そこで、観光客の生気を思う存分吸ったセシストは、半分生前の姿に戻りつつあるが、まだ完全な姿ではなかった。

やがて・・彼は、地下に入り、長くて広い階段を下りていくと、そこにはおびただしい棺の数々が並んでいた。

セシストは、生前自分を陥れたアクアナトンのミイラが収められている棺を探している。

しばらくすると、アクアナトンの棺を見つけた。

彼は、アクアナトンの棺を開けた。そこには、包帯ミイラがいた。

「アクアナトン・・、もう少しだ。」

セシストがそう呟くと、彼の力でアクアナトンの体が空に浮き上がり、奥にある台を目指して行った。

アクアナトンの体が、台の上に横たわるのを見届けたセシストは、持ってきた[死者の書]を開き、言葉を読み上げた。

彼が読み上げている間、アクアナトンの体に魂が飛び込んできた。そして、体が動き始めていった。

セシストが、[死者の書]を全て読み上げた時、アクアナトンが目覚めて動き出した。

「アクアナトン・・私が誰か分かるか・・?」

「・・・!」

しかし、自分を蘇らせた人がセシストと気づいた彼女は、逃げようとした。

その腕をつかんだセシストは、引っ張り、

「アクアナトン・・やっとこの時が来たな。よくも・・あの時は。」

と、言い、ニヤリと笑った。

アクアナトンは嫌だと言うように首を振った。

セシストは、嫌がる彼女を見ながら、右手で茶色い壺の中に収められている白い粉を掴み、2〜3人の古代の兵が描かれている壁にぶちまけた。

すると、壁画から古代の兵が生き返り、抜け出してきたのだ。

「忠実な兵達よ。アクアナトンを見張れ!」

セシストが、彼らにそう命じると、兵達は素早くアクアナトンを取り囲んだ。

これで、アクアナトンは逃げようにも逃げられなくなった。